羽毛布団を清潔に保つには、自宅で天日干しなどの適切なケアを行うとともに、定期的にクリーニングに出す必要があります。羽毛布団は家庭用の洗濯機やコインランドリーで洗うこともできますが、おすすめはできません。
今回は、羽毛布団をクリーニングに出す頻度の目安や注意点、自宅でのケア方法などについて紹介していきます。
羽毛布団のクリーニング頻度
羽毛布団をクリーニングに出す頻度は、耐久性を考慮すると、3~5年程度に1回が目安です。あまり頻繁にクリーニングに出すと、羽毛のかさが減ってしまうことで保温性が低下したり、側生地が傷んで羽毛が飛び出てしまったりするなど、劣化が進むことが考えられます。そのため、毎月、あるいは数ヶ月ごとに、羽毛布団をクリーニングに出すのはおすすめできません。
ただし、この3~5年程度というのは、日頃、自宅で適切なケアを行っている場合の目安です。汚れや臭いが気になるような状態のまま使い続けると、アレルギー症状が出やすくなるなど、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
汗や汚れ、臭いの付着などが気になる場合には、すぐにクリーニングに出しましょう。
羽毛布団をクリーニングに出す必要性
羽毛布団をクリーニングに出す必要性があるのは、天日干しなどのケアでは、羽毛の汚れは落とせないためです。
布団カバーをこまめに洗っていれば、外側はきれいな状態です。しかし、天日干しをすれば、布団の内部の羽毛に染み込んだ汗などの水分を乾かすことはできますが、汚れを落とすことはできません。羽毛布団には寝ている間に皮脂や汗などが染み込んで、汚れやホコリが蓄積されていきます。さらに皮脂や汗はアレルゲンであるダニやカビのエサとなり、繁殖していきます
そこで、定期的に羽毛布団をクリーニングに出して、羽毛に付着した汚れや臭いを落として清潔を保つことが、快眠のために大切なのです。
羽毛布団の自宅での洗濯はおすすめしない理由
羽毛は天然素材で水に強く、コインランドリーによっては「羽毛布団コース」の設定がある洗濯乾燥機もあります。自宅やコインランドリーで水洗いできないというわけではないのですが、おすすめはできません。
羽毛布団の自宅での洗濯をおすすめしないのは、以下の理由によるものです。
- 大量の水で洗わないと、中心部の羽毛にまで、洗浄成分が行きわたりにくく、洗い残しが生じる可能性がある。
- 皮脂や汗が落としきれない可能性があり、黄ばみの原因となる。
- 側生地が破れたり、羽毛が偏ったりしやすい。
- 家庭用の洗濯機は布団を洗うためにできていないため、洗濯機が壊れる恐れもある。
また、特に自宅で羽毛布団を洗う場合には、完全に乾燥させることが難しいという問題があります。自宅で洗濯したら、本来は完全に乾くまで陰干しをしておかなければなりません。側生地が乾いていても、中の羽毛が生乾きの状態では、羽毛が開かずにぺしゃんこの状態となり、保温力が低下します。雑菌が繁殖して臭いが生じたり、そのまま収納するとカビが発生したりすることもあります。
羽毛布団を自宅で清潔に保つケア方法
羽毛布団を自宅で洗うことはおすすめできませんが、できるだけ清潔に保つためにケアする方法を紹介します。
【羽毛布団を自宅で清潔に保つケア方法】
- 布団カバーは週1回程度洗濯する
- 晴れた日には天日干しをする
- 寝室の掃除はこまめに行う
- 収納する際は湿気に注意する
布団カバーは週1回程度洗濯する
羽毛布団に身体から出る皮脂や汗が染み込むのを防ぐために、必ず布団カバーをつけて使用するのがおすすめです。ただし、布団カバーをそのままつけっぱなしにしていると、不衛生な状態になります。布団カバーをこまめに洗濯することも、羽毛布団を清潔な状態に保つために大切なことです。布団カバーは週1回を目安に洗濯しましょう。
晴れた日には天日干しをする
羽毛布団を自宅で洗うことはおすすめできませんが、月1~2回程度晴れた日に天日干しすると、羽毛を乾燥した状態に保てます。羽毛を乾燥させると、ダニなどの繁殖を抑制できるか、羽毛が開いてふっくらとした状態に戻ることが期待できます。
羽毛布団を天日干しする際には、側生地が紫外線で傷むのを防ぐため、カバーをつけたまま干すのがポイント。朝夕は湿気が多いため、天気のよい日の午前10時から午後3時の間に、片面1時間を目安に両面を干します。羽毛を傷める可能性があるため、叩くのはNGです。
雨が続いて布団を干せないときや時間のないときには、布団乾燥機を使用するほか、室内用のふとん干しスタンドにかけて、エアコンの除湿機能を使うといった方法があります。
寝室の掃除はこまめに行う
羽毛布団に限った話ではないですが、寝室は布団などによってホコリや湿気がたまりやすいため、ベッドの下を中心にこまめに掃除をしておくことが大切です。ベッドの下はホコリがたまりやすいため、フローリングの場合はホコリを舞い上げないようにするため、モップをかけてから掃除機をかけます。
収納する際は湿気に注意する
羽毛布団を収納する際には、羽毛布団をよく乾燥させておくとともに、押し入れなどの収納する場所も乾燥させておくことが大切です。収納する場所に湿気がたまっている状態では、羽毛布団を乾かしてからしまっても、湿気が移ってカビが生える要因となります。収納場所を乾燥するには換気を行うほか、押し入れ用の除湿器を使うといった方法があります。
また、長期間収納する場合には、定期的に羽毛布団の天日干しと収納場所の乾燥を行います。
羽毛布団をクリーニングに出す時の注意点
羽毛布団をクリーニングに出す際には、事前に確認するべき注注意点があります。
【羽毛布団をクリーニングに出す時の注意点】
- 洗濯表示タグを確認する
- 絹が含まれているか素材は扱いに注意する
- 穴ややぶれなどがないか確認する
洗濯表示タグを確認する
羽毛布団をクリーニングに出す前に、そもそも洗える素材なのかを確かめるため、洗濯表示をチェックします。布団は、中の素材、側生地の素材や製法によって、可能な洗濯方法に違いがあるためです。たとえば、側生地を縫わずに接着加工するノンキルト加工が施された羽毛布団はクリーニングに出すことができません。
クリーニングは、有機溶剤を用いて水を使わずに洗う「ドライクリーニング」と、水を使って専用洗剤で洗う「ウェットクリーニング」に分けられます。それぞれ洗濯表において、「ドライクリーニングNG」「ウェットクリーニングNG」のマークが設けられています。
絹が含まれているか素材は扱いに注意する
絹はなめらかで触り心地がよい素材ですが、洗うとゴワゴワしたり、縮んでしまったりするなど、デリケートな素材です。側生地が絹、あるいは絹混紡の羽毛布団は、ドライクリーニングはできますが、ウェットクリーニングができないため、注意が必要です。ただし、パールトーン加工が施された絹混紡の羽毛布団はドライクリーニングにも対応していません。
側生地が絹、あるいは絹混紡の羽毛布団は、特に洗濯表示を注意して見るようにしましょう。
穴ややぶれなどがないか確認する
羽毛布団をクリーニングに出す前には、側生地に穴ややぶれ、ほつれなどがないか、チェックします。側生地に穴ややぶれ、ほつれなどがあると、洗っている間に中の羽毛が出てきてしまう恐れがあるため、クリーニングに出すことができません。穴や破れがある場合には、クリーニングに出す前に側生地のリフォームや交換が必要になります。
羽毛布団のクリーニングは宅配クリーニングがおすすめ
羽毛布団のクリーニングは、宅配クリーニングの利用がおすすめです。宅配クリーニングとは、配送業者を利用したクリーニングサービスです。配送事業者を通じて宅配クリーニング会社から届いた集荷キットに衣類や布団を入れて、自宅に集荷に来た配送事業者に渡すと、宅配クリーニング会社の工場でクリーニングが行われた後、配送業者からきれいになった衣類・布団が自宅に届けられます。
羽毛布団のようにかさばるものをクリーニング店まで運ぶのは大変です。宅配クリーニングを利用すれば、自宅まで配送業者が来るため、布団をクリーニング店まで運び、再び取りに行く手間がかからないことがメリットです。クリーニング店のように、混雑時に店頭で待たされることもありません。また、スマホ一つであれば、24時間いつでも好きなときに簡単に申し込めるのも便利な点です。宅配クリーニング会社によっては、長期保管サービスにも対応しています。
まとめ
羽毛布団は天日干しなどの自宅でのケアを適切に行っている場合で、3~5年に1回、クリーニングに出すのが望ましいです。クリーニングに出すことによって、羽毛に付着した皮脂や汗など汚れを落とし、ダニやカビを防ぐことができます。自宅の洗濯機やコインランドリーで洗うと、中まで洗浄成分が行きわたらず、洗い残しが生じてしまい、黄ばみの原因になる可能性があります。羽毛布団をクリーニング店まで運ぶのは手間がかかるため、宅配クリーニングを利用すると便利です。