怪我や鼻血で血が服についてしまったり、生理の経血の洗濯に苦戦しているという方も多いのではないでしょうか?
時間が経つととくに落ちにくくなる血液の汚れですが、実は汚れの特性を理解して、正しく染み抜きを行えば、簡単に汚れを落とすことができます。この記事では血のシミの特性や染み抜き時の注意点、染み抜きの方法を紹介しています。自宅にあるもので簡単に落とせるので、ぜひ試してみてください。
血の染み抜きをする前に知っておきたいポイント
服に血がついてしまうと焦って早く洗い流したくなりますが、以下で紹介するポイントを押さえておくことで、生地を傷めずきれいに汚れを落とすことができます。染み抜きを行う前に目を通しておきましょう。
【血の染み抜きをする前に知っておきたいポイント】
- 血の染みは水溶性の汚れ
- 血の染み落としにお湯はNG
- 必ず洗濯表示を確認する
血の染みは水溶性の汚れ
衣類の汚れには、簡単に分けると「水溶性・油溶性・不溶性」の3つの汚れがあります。
汚れの種類によって落とし方や落ちやすい洗剤の種類が異なるため、まずは衣類の染みがどのような性質を持つ汚れなのかを理解しましょう。
染み・汚れの種類 | 特徴 | 具体例 |
---|---|---|
水溶性の染み・汚れ | 水に溶けやすい | 醤油、ソース、コーヒー、紅茶、ケチャップ、果汁、ワイン、血液、汗、水性インク、 |
油性の染み・汚れ | 油に溶けやすい | 口紅、ファンデーション、クレヨン、マーガリン、バター、チョコレート、ミートソース、油性ボールペン |
不溶性の染み・汚れ | 水にも油にも溶けない | 泥、墨汁、錆、香水、チューイングガム |
血液は水溶性の汚れに該当するため、基本的には水で汚れを落とすことができます。血液は時間が経つと血液に含まれるタンパク質が酸化し、染みが落ちにくくなります。どのような汚れでも時間が経つと落としにくくなるため、染みや汚れに気がついたときにはできるだけ早く対処するようにしましょう。
血の染み落としにお湯はNG
血は水溶性の汚れですが、タンパク質を含んでいるため、お湯を使うとタンパク質は固まってしまい汚れが落ちにくくなる性質があります。血の染みを落とすときには、常温もしくは30度以下のぬるま湯で洗い流すということを覚えておきましょう。
必ず洗濯表示を確認する
血の染みがついた衣類を洗う前に、自宅で水洗いができるかどうか衣類についている取扱表示タグを必ず確認しましょう。水洗いできない衣類を無理に自宅で洗うと、生地を傷めたり染みが広がる可能性があります。
水洗いが可能であっても手洗い推奨のものや、水温が指定されているものなど種類があるため、洗濯表示マークの意味がわからない場合は調べるようしましょう。
参照元:消費者庁「衣類の取扱表示(令和6年8月改正)」
時間が経っていない血の染み抜き方法
あまり時間が経っていない血のシミは、比較的簡単に取り除くことができます。
用意するもの
- 食器用洗剤(中性洗剤)
- タオル
- 歯ブラシ
時間が経っていない血の染み抜き手順
- 血の染みがついた衣類の下にタオルを敷く
- 血の染みがついた部分に中性洗剤をつける
- 歯ブラシで染みを優しく叩く(タオルに汚れを移すイメージ)
- 染みが落ちたら通常通り洗濯する
染み抜きの際には外側から内側に向かって汚れを落とすように意識すると、汚れの広がりを防止できます。
経血など外出先で汚れに気がついた場合でも対処できる可能性が高いので、慌てず冷静に対処しましょう。
外出先で血の染みがついてしまった場合は、ハンカチに水を含ませ、汚れを優しく叩いて汚れを落とします。水で落ち切らない場合は、炭酸水で試してみましょう。
時間が経った血の染み抜き方法
時間が経った染みや黒ずんだ血の染みは、酸素系漂白剤や専用の洗剤を使うことで、染みを落とすことができます。
ただし漂白剤に関しては、取扱表示タグの確認が必要です。漂白剤が使える素材であることを確認したうえで染み抜きを行ってください。
用意するもの
- 洗い桶
- 酸素系漂白剤
- もしくは血液・タンパク質専用の洗剤
時間が経った血の染み抜き手順
- 洗い桶に水を入れて漂白剤を溶かす
- 2時間程度を目安につけ置きする
- いつも通りに洗濯する
中性洗剤以外の強い洗剤や漂白剤を使う場合は、生地を傷めやすいため洋服の裏側など目立たない部分に洗剤をつけて、色落ちのテストを行うと安心です。液体洗剤よりも粉末洗剤のほうが漂白力が高いため、おすすめです。
ソファやマットレスなど丸洗いできない血の染み抜き方法
洗濯機では洗えない、車の座席や、ソファなど、簡単には洗えないものに血がついてしまうこともあります。
そのような場合には、以下の方法を試してみてください。
【用意するもの】
- 重曹
- 水
- 綿棒やタオル
まずは濡らしたタオルを硬くしぼり、血が付着した部分を軽く叩き、可能な限り汚れを取り除きます。重曹:水=2:1の割合で混ぜ、ペースト状の洗浄液を作りましょう。血の染みがある部分に綿棒などで馴染ませ、30〜60分ほど待ち、濡れたタオルで優しく拭き取ります。
範囲が広い場合には、さらに水で薄めスプレーボトルに入れ使うと、広範囲でも使いやすいでしょう。重曹には消臭効果もあるため、おすすめの方法です。
血液の染みは衛生上の観点からクリーニング店では対応できないときもある
血の染みは、衛生上の観点からクリーニング店によっては扱えないこともあります。
汚れの程度にもよるため、一度クリーニング店に相談すると安心です。
血の染みは正しく対処すれば落ちる汚れなので、上記で紹介した方法で丁寧に汚れを落としましょう。
まとめ
血にはタンパク質が含まれているため、他の汚れよりも落としにくい印象があるかもしれませんが、タンパク質の特性を知っていれば、簡単に血の染み・汚れを落とすことができます。自宅で染み抜きを行う際は必ず衣類の取扱表示タグを確認する習慣をつけましょう。血液に限らずどのような汚れを落とす時でも、必ず確認が必要です。
血液の汚れは衛生上の観点から、クリーニングを断られる可能性もあるため、事前にクリーニングが可能かどうか問い合わせるようにしましょう。