綿やウレタンなど、さまざまな素材が使われているクッションや枕は扱いが難しいものが多く、お手入れやメンテナンスにコツがいるものもあります。特にウレタンは基本的に水洗いができない素材で、一度洗ってしまうと劣化してしまい、使えなくなる可能性もあります。
正しいお手入れ方法や、万が一濡れてしまった場合の対処法を知っておくことで、長持ちさせることができるでしょう。
ウレタンフォームの枕・クッションは洗濯できない
ウレタンフォームの枕やクッションは、水洗いができません。
最近ではウレタンの低反発枕でも洗えるとうたっている商品もありますが、基本的には洗濯できないことを覚えておきましょう。
万が一洗ってしまった場合、二度と使えなくなってしまうケースがあるため、注意が必要です。
ウレタンはなぜ洗えない?
ウレタンはスポンジ状になっており水分を吸収しますが、膜が張っていて水はけがかなり悪い性質があるため、一度吸い込んだ水を溜め込んでしまいます。つまり一度濡らしてしまうと、そう簡単には乾かないのです。
ウレタンを洗うとどうなる?
ウレタンは水を含むと化学反応を起こしもろくなる構造をしています。さらには、水の重さに耐えきれず、ちぎれてしまうケースもあります。乾かそうと乾燥機に入れるなどすると、ボロボロになり使えなくなるのです。
洗濯できる「低反発枕」もある
低反発枕にはパイプや特殊な素材・加工を施した商品があり、中には洗うことができる商品も存在します。
またまれにウレタンを使用しているにもかかわらず、洗えるとうたっているものもあります。洗えるウレタンは、特殊な技術による脱膜加工とマイクロセル構造で水はけ性と通気性を向上させたものです。
とはいえ洗えないものが圧倒的に多いので、商品を購入する前に、本体が洗えるかどうか確認するようにしましょう。
ただし洗濯できる低反発枕でも、乾燥機にかけると縮む可能性が高いため注意が必要です。
ウレタンフォームの枕・クッションのメンテナンス方法
ウレタンフォームの枕・クッションは、以下の方法でメンテナンスを行いましょう。
- 陰干しを行う(平干し)
- 除菌スプレーで消臭する
ウレタンフォームのメンテナンスは水を一切使用しないため、とても簡単にできます。
それぞれのステップについて詳しく解説します。
陰干しを行う(平干し)
このステップで最も重要なポイントは紫外線に当たらない場所で干すということです。ウレタンは繊細な素材なので、水だけでなく紫外線によっても素材が劣化していまいます。
陰干しすることで、湿気を取り除き、カビの繁殖を防ぐことができるでしょう。
できるだけ平干しをすることで型崩れを防止できるため、平干し専用ネットや枕専用のハンガーなどを利用すると、便利です。
除菌スプレーで消臭する
陰干しを行った後には仕上げとして、除菌スプレーで消毒するといいでしょう。このとき、除菌スプレーの液体がたっぷり染み込まないように気をつけてください。
ウレタンフォームの枕・クッションを濡らした場合
ウレタンフォームの枕・クッションを濡らしてしまった場合、どのように対処するのが正しいのでしょうか。
ステップ
- 乾いたタオル等で濡らした箇所を拭き取る
- 水分を多く含んだ場合は水を押し出す
- 速やかに風通しの良い場所で陰干し(平干し)
- 乾いた後に除菌・消臭スプレーをサラッとかける
上記のステップを施しても最終的に復活しない場合もあるので、注意が必要です。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
乾いたタオル等で濡らした箇所を拭き取る
含んでしまった水分を絞り出すための第一段階として、乾いたタオルで水分を拭き取ります。
このとき、濡れている部分の上下にタオルを挟み込むように敷き圧を加えるようにすると、拭き取りやすいでしょう。
水分を多く含んだ場合は水を押し出す
水分を多く含んでしまった場合は、洗面所などで枕の上に手を乗せて、ゆっくり圧をかけて軽く水を切りましょう。
強く力を入れたり、捻ったりするとちぎれや破損の原因になるので、注意してください。
速やかに風通しの良い場所で陰干し(平干し)
ウレタンは素材の特性上、水と紫外線に弱く、さらに乾きにくいです。そのため、外気に当てて乾燥させなければ水が蒸発していきません。早く乾かしたいからといって、紫外線に当てると劣化してしまうので気をつけましょう。
乾いた後に除菌・消臭スプレーをサラッとかける
ウレタンは通気性が良くないため、一度濡れてしまうと湿気によるカビやダニ、雑菌が繁殖しやすくなります。
一度発生すると、死滅させるのが難しいため、事前に防止しておきましょう。
また湿り気は、臭いの元になりやすいので除菌・消臭スプレーをかけてケアしておくことをおすすめします。
枕・クッション選びのトラブル回避法とは?
ウレタンの取り扱いが難しいと感じる場合は、枕・クッションを選ぶ際に以下に気をつけるといいでしょう。
- ウレタンフォームを使用していない低反発枕・クッションを選ぶ
- 洗濯可能なウレタンフォーム枕・クッションを選ぶ
洗濯可能なウレタンかウレタンに似た使い心地の異素材を選ぶことで、洗濯時のトラブルを防ぐことができます。
購入前に洗濯表示や素材についてよく確認するようにしましょう。
ウレタン布団は洗える?クリーニングに出す際の注意点
ウレタン布団のクリーニング店の対応はさまざまで、断られるお店も多いでしょう。なぜなら、ドライクリーニングの薬剤とウレタンの相性があまり良くなく、劣化の原因となり得るためです。またお店によっては、厚さの制限を設けていることもあります。
ウレタン布団をクリーニングに出したい場合は、お店に確認し対応してくれるお店を探す必要があるでしょう。
ラクリの「ふとんクリーニング」では、オリジナルの布団専用の洗剤を用いるため、ウレタン布団にも対応しています。
ただし、高反発・低反発ウレタンは対応できないのでご注意ください。洗えない寝具が届いた場合は、洗浄せずにそのままの返却となります。ウレタン製の布団のお手入れに困っている人はラクリのふとんクリーニングをご検討ください。