昼間に洗濯できない日や、雨で洗濯物が乾かない時などに大活躍の乾燥機。しかし乾燥機で心配なのは、「衣類の縮み」です。乾燥機を使って、大切な服が縮んでしまい失敗。―という経験をお持ちの方は少なくないはずです。
当記事では、乾燥機にかけると縮んだり、傷んだりしてしまう衣類の見分け方や、乾燥機による縮みを防ぐ方法などについて解説します。また、縮んでしまった衣類をもとに戻す方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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乾燥機によって服が縮んでしまう理由
なぜ乾燥機にかけると、服は縮んでしまうのでしょうか。
衣類の縮みには大きく分けると、次の二つの理由があります。
- 熱による繊維の収縮
- 回転による繊維の目詰まり
具体的にどのような状態になるのか、説明していきます。
熱による繊維の収縮
まずは「熱による繊維の収縮」です。
乾燥機は、60-80℃の熱風をあてながら、洗濯物を急速に回転させ、水分を蒸発させることで衣類を乾かす仕組みになっています。そのため、熱に弱い素材だと、熱風によって繊維が収縮。これが衣類の縮む原因となります。
回転による繊維の目詰まり
乾燥機で衣類が縮んでしまうもう一つの理由が、「回転による繊維の目詰まり」です。
熱風をしっかり当てて水分を蒸発させるため、乾燥機の内部では、洗濯物が激しく回転しています。その回転の圧力で、布地の繊維の隙間が詰まってしまう「目詰まり」が発生し、衣類が縮むのです。
乾燥機で縮む素材
同じように乾燥機にかけても、衣類の素材や加工のされ方によって、縮むもの、縮まないものがあります。
乾燥機をうまく活用するために知っておきたい、乾燥機にかけると縮む可能性がある素材、縮みにくい衣類などについてまとめました。
縮む可能性がある素材
最初に、「素材」についてです。乾燥機にかけることによって縮む可能性がある素材は次の通りです。
これらの素材は、一般的に熱に弱く、乾燥機にかけると縮む傾向があります。
天然素材 | 綿、麻、絹、ウールなど |
化学繊維 | ナイロン、ポリウレタン、レーヨンなど |
強撚糸を使った素材 | クレープ、ちりめんなど |
「強撚糸」とは、糸のねじり合わせが強い糸のこと。強撚糸を使った素材を乾燥機にかけると、縮みやすいだけではなく、型崩れも起きやすいので注意が必要です。
乾燥機に弱い衣類
では、実際にどのような衣類が乾燥機に弱いのでしょうか。
次のような衣類は、注意が必要です。
- 薄い素材の衣類
薄い生地は、乾燥機の回転の圧力に弱く、乾燥機にかけると傷んでしまう可能性があります - ニットや目が粗い素材の衣類
ニットのように、ざっくりとして目が粗い素材も、乾燥機の高速回転で目詰まりを起こし、縮む恐れがあります - ラバーなどのプリント加工
表面にラバープリントなどの加工がある衣類は、乾燥機内の摩擦や熱で、加工部分がひび割れたり、はがれてしまったりする可能性があります - ビーズや刺しゅうなどの装飾がある衣類
ビーズや刺しゅうなどの装飾も、乾燥機の回転や他の衣類の摩擦で、破損する恐れがあります
乾燥機で縮まない・縮みにくい素材
乾燥機で縮んでしまう素材がある一方で、縮みにくい素材もあります。
一般的に、ポリエステルやアクリルは、熱や摩擦に強く、縮みにくい素材とされます。アクリルは摩擦によって静電気が起きやすいという特質もありますので、気になる方は要注意ですが、これらの素材の場合は基本、乾燥機で乾燥させることができます。
また縮む可能性がある素材でも、タオルやシーツなどであれば、あまり縮みは気にならないでしょう。部屋着、人の目に触れることが少ない下着類なども、多少の縮みはOKという場合であれば、乾燥機を使用するのもよいかもしれません。
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衣類を乾燥機にかけて大丈夫か見分ける方法
乾燥機で縮む素材、乾燥機に強い素材についてご紹介しましたが、素材だけで乾燥機の使用について判断するのは危険な場合があります。
混合素材を使った衣服や、特別の加工がされている衣服もあります。乾燥機にかけて大丈夫か、それぞれの衣類ごとに、きちんとチェックすることが必要です。
衣類を乾燥機にかけても大丈夫か、見分けるためにあるのが「洗濯表示マーク」です。
洗濯表示マークは、衣類の裏のタグなどについていて、「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」に関する情報が記載されています。乾燥については、「自然乾燥」と「タンブル乾燥」のマークがありますが、乾燥機の使用方法を知るには、「タンブル乾燥」のマークをチェックしましょう。
タンブル乾燥のマークは、四角の中に丸が描かれたもので、丸い窓のある乾燥機のイメージ。具体的には次のような表記になっています。
- 丸の中に点が2つ描かれている場合→「タンブル乾燥ができる(温度上限80℃)」
- 丸の中に点が1つ描かれている場合→「低温タンブル乾燥ができる(温度上限60℃)」
- マーク全体に×が描かれている場合→「タンブル乾燥禁止」
新しい取扱い絵表示(日本) | 東京都クリーニング生活衛生同業組合
※洗濯表示マークは2016年11月から新しいものに変更され、それ以前のマークにはタンブル乾燥の表示はありません。
乾燥機での衣類の縮み防止方法
手作りの衣類や洗濯表示マークのない衣類。または、洗濯表示マークはあっても本当に乾燥機をかけて大丈夫か不安な衣類―。お手持ちの衣類を、乾燥機で乾燥させてもいいかどうか判断に迷った時には、縮みを防ぐための方法もあります。
縮み防止の主な方法は次の二つです。
- 乾燥機で乾かす時間を短くする
- 乾燥機に入れっぱなしにしない
それぞれ、具体的なやり方をご説明します。
乾燥機で乾かす時間を短くする
縮みが心配な場合は、乾燥機で乾かす時間を短くするのが効果的です。
衣類を乾燥機で最後まで乾燥させず、20-30分で取り出すと、熱風に当たり、回転の圧力がかかる時間が減るので、縮みも低減できます。
衣服は生乾きの状態になりますが、温まっているため、そのまま天日干し、または部屋干しにすれば、通常より早く乾かすことができます。
乾燥機に入れっぱなしにしない
縮みを防止する二つ目のポイントは、乾燥機に衣類を入れたままにしないことです。
乾燥機で乾燥させた衣類は、乾燥機内で冷えていく過程でも縮みます。乾燥が終わった衣類は、すぐに取り出しましょう。
取り出した衣類は、形を整えてハンガーなどにかけておくことをオススメします。衣類にまだ熱があるうちに、形を整えることで、シワを減らすこともできます。
乾燥機で縮んでしまった衣類を戻す方法
ついうっかり、縮む素材の服を乾燥機に入れてしまった。注意して乾燥機にかけたのに、衣類が縮んでしまった―。
そんな場合には、次の二つの方法で、縮み改善が期待できます。
- 再度濡らして形を整えて乾かす
- トリートメントを使用する
完全には元通りにならないこともありますが、試してみてはいかがでしょうか。
具体的な手順などについて説明します。
再度濡らして形を整えて乾かす
まずは、縮んでしまった衣類を再度濡らし、形を整えて乾かす方法です。
縮んでしまった衣類に、霧吹きで水をかけるか、アイロンのスチームを使うかして十分に湿らせた上で、衣類を引っ張りながら形を整えます。強く引っ張りすぎないようにして、少しずつ、元の形、大きさに近づけるようにして、形を整えるのがポイント。
そして、形を崩さないようにして日陰で乾かすと、縮みが改善するでしょう。濡れると膨らむ性質のある、綿素材の場合、特に効果が期待できます。
トリートメントを使用する
次に、トリートメントを使用する方法です。
特に、繊維が絡まり合うことで縮んでしまったニットの衣類などに、効果が期待できます。
ヘアケアに使うトリートメントの中でも、「ジメコン」というシリコン成分が入っている商品を使います。
まず衣類が浸かるぐらいの水をため、そこにヘアトリートメントを1~2プッシュ程度投入。十分に混ぜてトリートメントを溶かし、そこに縮んでしまった衣類を浸し、1時間ほど置きます。
衣類をすすぎ、洗濯機で1分ぐらい脱水し、優しく伸ばしましょう。形を整えて乾かします。ニットの場合は、ハンガーに吊るして乾かすと型崩れするので、平干しがオススメです。
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まとめ
乾燥機で衣類を乾かす際の注意点などについてまとめました。
乾燥機を利用する場合にもっとも大事なのは、乾燥機を使える服なのか、NGな服なのか、見分けることです。
縮みやすい素材、衣類の洗濯表示マークなどをしっかりチェックした上で、衣類に適した乾燥方法を選んでください。
さらに縮みを防止する方法や縮みを戻す方法も参考に、乾燥機をより効果的、効率的に活用していきましょう。