大切な服にシミがついてしまったとき、自宅でどう対処すればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。強く擦って生地を傷めてしまったり、洗剤を使いすぎて逆に汚れが広がってしまったりと、思い通りにいかないことも多いものです。
この記事では自宅で染み抜きを行う方法を汚れの種類別に紹介しています。また自分での染み抜きではうまくできなかった、自分でするのは怖いという方向けに、信頼できるクリーニング店の選び方についても解説しています。
自宅で染み抜きをする前に知っておきたいポイント
洋服に染みがついてしまった場合、できるだけ早く対処することが汚れを落とすポイントです。しかし、正しい方法を知らずに対応すると、生地を傷めたり、汚れを広げてしまう可能性があります。染みの種類や生地の特性に合った適切な方法を理解し、慎重に対処すれば大切な洋服を守ることができるでしょう。
まずは、以下の染み抜きの基本を押さえておくと安心です。
【染み抜きの基本】
- 自宅で染み抜きができるかどうかの判断基準
- 染み・汚れの種類を理解しておく
- 自宅で染み抜きを行う際には色落ちテストを必ず行う
自宅で染み抜きができるかどうかの判断基準
染み抜きをする前に、まず衣類の洗濯表示を確認し、家庭で洗えるものかどうかを確認しましょう。水洗い可能な場合は、部分的に処理を行った後、水洗いすることで家庭でも染み抜きが可能です。
家庭での洗濯ができるかどうかは、以下のマークを参考にしてください。左の家庭洗濯NGの取扱表示がある場合には、手洗い・洗濯機に関係なく家庭での洗濯はできないため、自宅では何もせずできるだけ早くクリーニング店に相談しましょう。
家で洗えるか分からない場合や汚れの範囲が広い場合、また色落ちが心配な場合は、自宅での染み抜きは避け、クリーニング店に依頼する方が安心です。専門的な技術で対応してもらえるため、繊細な素材や頑固な汚れにも適切に処置してくれます。
ただし、汚れの種類によってはクリーニング店でも対応が難しい場合があるため、事前に相談して確認することをおすすめします。
参照元:消費者庁「衣類の取扱表示」
染み・汚れの種類を理解しておく
染みには、油汚れ、食べ物や飲み物、泥、インクなどさまざまな種類があり、染みの種類によって適した洗濯方法が異なります。そのため、まずは付着した染みが何による汚れなのかを見極めることが重要です。
染み・汚れの種類 | 特徴 | 具体例 |
---|---|---|
水溶性の染み・汚れ | 水に溶けやすい | 醤油、ソース、コーヒー、紅茶、カレー、ケチャップ、血液、水性インクなど |
油性の染み・汚れ | 油に溶けやすい | 口紅、ファンデーション、クレヨン、マーガリン、バターなど |
不溶性の染み・汚れ | 水にも油にも溶けない | 泥、墨汁、油性インクなど |
汚れの原因と洗濯方法を正しく判断することで、効果的に汚れを落とせるだけでなく、衣類へのダメージも最小限に抑えることができるでしょう。
自宅で染み抜きを行う際には色落ちテストを必ず行う
自宅で染み抜きを行う際は、必ず目立たない箇所で色落ちしないかテストを行いましょう。染み抜き剤や洗剤によっては、汚れだけでなく繊維の色素まで落としてしまう可能性があるためです。このひと手間で、大切な衣類を傷めるリスクを防ぐことができます。
【色落ちテストの方法】
- 白い布やタオルに使用する洗剤や漂白剤をつける
- シミ抜きしたい衣類の目立たない部分を軽く叩く
- 数分後に白い布に色移りしていないか確認する
色落ちテストの際、白い布やタオルに色移りが見られる場合には、自宅で染み抜きせずにプロのクリーニング店に相談しましょう。
【染みの種類別】自宅での染み抜き方法
ここでは染みや汚れの種類別に、効果的な染み抜きの方法を解説します。
化粧品やバターなどの油性染み
油溶性汚れによる染みは、クレンジングオイルで汚れを溶かして落とします。
用意するもの
- クレンジングオイル
- 約40℃のぬるま湯
- 食器用中性洗剤
- クレンジングオイルを染みに塗り込む
- 優しくもみ洗いをする
- ぬるま湯で何度もしっかりすすぐ
- クレンジングオイルを取り除くために食器用中性洗剤を少量でもみ洗いする
- 最後にいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
油汚れは、お湯の方が汚れを落としやすいため40℃程度もぬるま湯で洗うことがポイントです。
醤油やケチャップなどの水溶性染み
水溶性汚れによる染みは、食器用中性洗剤で汚れを溶かして落としましょう。
用意するもの
- 食器用中性洗剤
- 汚れてもいい布
- 歯ブラシ
- 水
- 中性洗剤を染みに直接染み込ませる
- 染みのある衣類の下に汚れても良い布を敷く
- 染みの上から歯ブラシで優しく叩く
- 汚れが下に敷いた布に移ったら水ですすぐ
- 1~4を何度か繰り返す
- 最後にいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
汚れを歯ブラシで叩く際には、染みや汚れの外側から内側に向かって汚れを落とすようにすることで、汚れの広がりを防止することができます。
汗・尿・血液などタンパク質を含む水溶性染み
このタンパク質には、高温で固まってしまう性質があるため、洗濯や染み抜きの際にはお湯を使わないことが重要になります。
またタンパク質を含む染みを落とす際には酸素系の漂白剤を使用することになるため、衣類の取扱表示を確認し、漂白剤が使える素材であるかどうか確認しましょう。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- 洗濯洗剤
- 洗面器
- 30℃以下の水
- 染みに直接、酸素系漂白剤を染み込ませる
- 洗面器などに水と洗濯洗剤を入れて30分〜2時間つけ置きする
- つけおきが終わったらいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
墨汁や泥による染み
泥や墨汁の染みは、土や砂、墨の粒子が繊維の奥に入り込んでいます。
泥汚れの場合は、以下の手順に入る前に十分に乾かしてから洗濯ブラシなどで泥の塊などを取り除きましょう。
用意するもの
- 固形石鹸
- 洗濯ブラシ
- 染みをよく湿らせ固形石鹸を擦り込む
- しっかりもみ洗いをする
- 洗濯ブラシで擦ったりつまみ洗いをする
- 流水で汚れを洗い流す
- 染みや汚れが取れるまで1~4を繰り返す
- 最後にいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
コーヒー・ワインなどの色素を含む染み
コーヒーやワインなど色素を含む染みを落とす際には酸素系の漂白剤を使用します。染み抜き前に必ず、衣類の取扱表示を確認し、漂白剤が使えるかどうか確認してください。
用意するもの
- 食器用中性洗剤
- 汚れてもいい布
- 歯ブラシ
- 水
- 酸素系漂白剤
- 染みに食器用中性洗剤を塗り込む
- 染みの下に汚れてもいい布を敷く
- 歯ブラシで汚れを優しく叩き、汚れを布に移す
- 水ですすぐ
- 染みが取れるまで1~4を繰り返す
- ある程度染みが取れたら染みに酸素系漂白剤をつける
- 最後にいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
ボールペンによる染み・汚れ
用意するもの
- 消毒用アルコール
- 汚れてもいい布
- 歯ブラシ
- ボールペンの染みに汚れてもいい布を当てて裏返す
- 染みの裏側からアルコールをかける
- 染みを布に移すように歯ブラシで軽く叩く
- 流水ですすぐ
- 最後にいつも通り、衣類取扱表示に従って洗濯する
水性インクやジェルインクの染みは、家庭での洗濯では落とすのが難しいため、できるかぎり早くクリーニング店に相談しましょう。
外出先で染みがついてしまった時の応急処置
外出先で染みがついてしまった場合、慌てて濡れティッシュやハンカチで擦るのは避けましょう。濡れたもので拭くと、逆に染みが広がって目立ったり、繊維に深く染み込んで落としにくくなる場合があります。
応急措置として乾いたティッシュやタオルを使い、汚れをそっと押し取るか、軽く吸着させます。帰宅後に正しい方法で染み抜きを行うことが、衣類を傷めず綺麗にするための最善策です。
大切な洋服の染み抜きは慎重に!不安なときはクリーニング店に相談しましょう!
失敗したくない大切な服の染み抜きは、自宅で行うよりもプロのクリーニング店に依頼するのがおすすめです。専門知識と技術を持つプロのクリーニング店であれば、繊細な素材や難しい汚れにも適切に対応できます。
【クリーニング店に依頼するメリット】
- 技術や知識のあるプロが的確な方法で染みに対処する
- 衣類へのダメージを最小限に抑えることができる
- 専用の薬剤で汚れを落としやすい
技術や知識のあるプロが的確な方法で染みに対処する
綺麗に染み抜きを行うためには、汚れの種類、衣類の素材、洗剤の相性など多くの要素が関係します。
クリーニング店では、染みの性質を見極めて最適な落とし方を選び、素材に合わせて生地を傷めない工夫をしながら、使用する洗剤や道具を決定します。経験豊富なプロがこれらを丁寧に観察・判断するため、染み抜きに失敗するリスクが抑えられるでしょう。
衣類へのダメージを最小限に抑えることができる
自宅での染み抜きでは、強く擦ったり叩きすぎたりすることで、生地を傷めてしまうことがあります。また、洗剤を多く使いすぎたり、刺激の強い洗剤を選んでしまうと、繊維に負担をかける場合もあります。
クリーニング店では、衣類へのダメージを最小限に抑えるため、細やかな配慮をしながら丁寧に処理を行います。生地へのダメージは少なく、染みは綺麗に落としてもらえるため、自宅での洗濯では得られない仕上がりが魅力でしょう。
専用の薬剤で汚れを落としすい
クリーニング店では、自宅にはない染み抜き専用の薬剤を使用して処理を行うことが多く、家庭用洗剤よりも強力でシミに対して高い効果を発揮します。これらの薬剤はプロが取り扱っており、生地を傷めたり変色したりしないよう、その効果やリスクを熟知したうえで慎重に使用されるため安心です。ただし、専用薬剤を使う場合、その分の費用がかかることもあります。
染み抜きを安心して任せられるクリーニング店の選び方
クリーニング店ならどこでも良いというわけではありません。染みの種類によっては対応できないケースもあるため、どうしても気になる染みがある場合には、値段や納期だけで選ぶのは危険でしょう。
染み抜きを安心して任せられるかどうかは、公式おホームページを確認しながら以下のポイントに注目してみてください。
- 染み抜きの実績が豊富
- 高級ブランド服も取り扱っている
- 一般的には断られるような難しい衣服にも対応している
- 色補正や補修などのメニューがある
一般的に難しいとされるような染みの事例などを掲載していたり、万が一の場合にも色補正などのメニューでカバーできるようなお店であれば、専門性が高いと判断するポイントになるでしょう。
LACURIの染み抜きは、無料オプションとしてついていますが、1点1点の衣類の素材や汚れを国家資格者が確認し、洋服ごとに適切なクリーニング方法を考えるため、安心して預けることができます。また他店では断られるような素材の洋服や高級ブランド服にも対応しています。
まとめ
衣類につく染みや汚れにはさまざまな種類があり、それぞれ適した洗剤や洗い方が異なります。時間が経っていない染みは家庭でも落とせる可能性が高いですが、生地を傷めないよう慎重に優しく行いましょう。必ず衣類取扱表示を確認し、色落ちテストを行ってから染み抜きを行ってください。
失敗したくない大切な服の場合は、無理に自宅で染み抜きせずに、LACURIまでご相談ください。熟練の知識と経験をもつ職人が1点ずつ手作業でチェックし、最善の方法で衣類を蘇らせます。